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コラム(2017年04月14日)

過払い金に利息が付くって本当?過払い金の元金と利息の仕組み

過払い金に利息が付くって本当?過払い金の元金と利息の仕組み

「過払い金に利息が付く」と聞くと、なんだか変な感じがするかもしれません。これまで債務者として消費者金融に金利を支払っていたのが、今度はこちらが相手に利息を含めて請求することができる、と言われてもピンと来ないこともあるでしょう。
今回は、過払い金の元金と利息の仕組みについてご紹介します。

過払い金利息とは

キャッシング(カードローン)を利用すると、借入残高に対する利息を支払いますが、同様に、過払い金に対しても利息が付きます。
過払い金の利息は、年率5%か年率6%かで長年争われていました。年率5%は、民法404条「民事法定利率」を、年率6%は、商法514条「商事法定利率」をそれぞれ法的根拠としています。しかし、2007年の最高裁判決により、過払い金利息は年率5%であると確定されました。商事法定利率が定める年率6%は、商行為によって生じた債務に関する法定利率であり、過払い金はこれに該当しないことが判決の根拠とされました。

また、過払い金利息の発生時点についても、「最終取引時点」と「過払い金発生時点」のどちらから過払い金が発生するか、法的議論がありました。これについては、2009年の最高裁判決において、過払い金発生時点から利息が付くことが確定しています。

2種類の過払い金計算方法

2種類の過払い金計算方法

過払い金の計算方法には、「無利息方式」と「利息充当方式」の2種類があります。それぞれの計算方法のメリット・デメリットを理解しておきましょう。

【1】無利息方式のメリット・デメリット

無利息方式は、過払い金利息を付加しない計算方法です。
無利息方式のメリットは、金融機関との和解によって解決できることが多いため、裁判を起こす必要がなく、時間と費用の節約になるという点です。また、利息を計算する必要がないため、請求額の計算自体が簡単になります。一方、利息分を請求できないというデメリットがあります。

【2】利息充当方式のメリット・デメリット

利息充当方式は、過払い金利息を付加する計算方法です。
利息充当方式のメリットとしては、取り戻せる請求額が多くなることが挙げられます。特に、過払い金の発生から時間が経っているほど、その金額は大きくなるでしょう。
しかし、利息を含めて過払い金請求を行なう際は、裁判を起こす必要があります。過払い金請求の裁判は一般的に長期化する傾向にあり、弁護士や司法書士などの専門家を法定代理人として雇うのが一般的であるため、時間と費用が掛かることが多いという点がデメリットです。

過払い金利息は請求した方が良いの?

過払い金利息は請求した方が良いの?

「返ってくる金額が大きいなら、過払い金の利息も含めて回収したい」と考える方も多いでしょう。しかし、先述のとおり、利息分も含めて過払い金請求を行なう場合は、裁判を起こさなくてはならないことが一般的です。そして、裁判にはそれなりの時間と費用が必要になります。

また、弁護士や司法書士に依頼すれば、必ず利息分が返ってくるというわけではありません。過払い金利息を請求するかどうかは、専門家でも意見が割れる場合があるようです。
過払い金利息を請求することは、債務者の権利であるため、できるだけ満額に近づけるように争い続けるべきだという見方もあれば、長引いて円満な解決が難しくなることを避けたいと考える専門家もいるからです。

過払い金利息がそれほど多く発生していないケースでは、裁判を起こすことで専門家に支払う金額の方が利息分よりも高くなってしまうケースもあるでしょう。過払い金請求に掛かる多大な労力・時間・費用が、実際に回収できる金額と見合わないこともあるため、その点も考慮したうえで利息を請求する・しないの判断をすることがベターです。

おわりに

過去のキャッシング(カードローン)の利用で発生した過払い金には、利息が付加します。
しかし、「過払い金の利息分も請求した方がお得」であるとは単純に言い切れません。
過払い金の利息分を請求するかどうかは、専門家でも意見が割れる問題です。利息の金額を調べたうえで、専門家に相談するために必要な費用等も確認し、どちらを選ぶか決めることをおすすめします。

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