カードローン・キャッシング コラムCOLUMN
過払い金請求をすると、住宅ローンや自動車ローンが組めないといわれることがありますが、本当でしょうか。各種ローンが組めないとなると、大きな買い物をする際に不利になってしまいます。
過払い金請求とローン審査の関係について学び、正しい知識を持つことが大切です。
ローンの申込時は、さまざまな項目を判断材料に審査が行なわれます。たとえば、世帯収入や現在の勤務先の勤続年数、家族構成などです。その項目の中に、これまでのキャッシング(カードローン)利用における債務状況、返済履歴なども含まれています。
具体的には、すでに複数社から借入れを繰り返して収入に対する借り入れの割合が高くなっているときや、借入れ中のローンの支払いを延滞している場合には審査にマイナスの影響を与える恐れがあります。
それでは、過払い金請求経験の有無は、審査にどのように影響するのでしょうか?
結論から言うと、キャッシング(カードローン)を完済している状態であれば、過払い金請求をしたことが直接の原因となって住宅ローンや自動車ローンが組めなくなることはないとされています。
平成22年以前は、過払い金請求をしたことが信用情報機関に異動情報として登録されていたため、過払い金請求がローンの審査に大きく影響していたと考えられますが、平成22年1月に金融庁の通達があってからは、信用情報機関で過払い金請求関連の情報を登録することが廃止されました。
平成22年4月には、金融庁から過去の過払い金請求関連の情報を削除するよう求めるリリースも出ており、即座に審査にマイナスの影響があるとは考えにくい状況です。
したがって、現在は過払い金請求によって信用情報機関に異動情報が登録され、住宅ローンや自動車ローンを組めなくなるといった心配はありません。
しかし、過払い金請求後に債務が残ったときは、通常の過払い金請求と扱いが異なります。
たとえば、請求できる過払い金が50万円あり、100万円の残債務があるケースでは、残債務と過払い金を相殺しても返済すべきお金が50万円残ります。
返済すべきお金が少しでも残る場合は「任意整理」の扱いになり、信用情報機関に記録されます。
任意整理した記録は、5年間程度信用情報機関に保管されるため、この期間内は住宅ローンや自動車ローンを組むことが難しくなります。キャッシング(カードローン)やクレジットカードの審査にも影響するため、お金の借入れ自体が難しくなる可能性があるでしょう。
過払い金請求は、すでに完済した借入れに対して払い過ぎた利息を返してもらうための手続きであることが前提です。債務が残っているときは、場合によっては任意整理となり、必要なときにお金を借りられなくなるリスクを伴います。
過払い金請求を検討している場合は、正しいノウハウを持つ専門家に相談したうえで、よく考えてから行動することが大切です。
借入残高を完済した後に過払い金請求した場合は、住宅ローン・自動車ローンの審査に直接的には影響しませんが、過払い金請求後もなお残債務があるときは任意整理の扱いとなり、各種ローンの審査に影響する可能性があります。
そのため、新たにローンを組むことを考えている場合は、過払い金請求後にローンが残るかどうかについて、一度確認してから請求するようにしましょう。