カードローン・キャッシング コラムCOLUMN
カードローンやクレジットカードのキャッシングなど複数の借入れがある場合、返済日が複数回やってきて、いつ・いくら支払えばよいのか管理が難しくなってしまいます。また借入残高の把握が複雑で、完済に向けた返済計画も立てにくくなるでしょう。
そうした際にはおまとめローンの利用も選択肢の一つです。おまとめローンを活用すると総返済額や返済手続の負担などを軽減でき、計画的な返済ができるようになる可能性があるでしょう。ただしおまとめローンにはメリットもあればデメリットもあります。
本記事ではおまとめローンの仕組みやメリット・デメリット、審査の流れや審査基準、利用にあたって注意すべき点などをまとめました。おまとめローンを選ぶコツもご紹介するので利用をお考えの方は参考にしてみてください。
おまとめローンとは、2社以上の金融機関からの借入れをまとめて一本化するローンのことで、銀行や貸金業者などさまざまな金融機関がサービスを提供しています。一本化できるのは他の金融機関からの借入れや、クレジットカードのキャッシング利用分などです。
おまとめローンでは一つの金融機関やカード会社から融資を受けて、他社からの借入をすべて清算できます。
例えばA社・B社・C社から借入れしている場合、3社の借入れの合計金額をD社のおまとめローンで一本化して、A社・B社・C社にそれぞれ一括返済した後、D社のおまとめローンにだけ毎月返済していくのが代表的なケースです。
おまとめローンは主に以下のような場合に利用されます。
おまとめローンを利用する場合、条件によっては総量規制の対象外になるケースもあります。総量規制とは年収の3分の1を超える貸付けを禁止するルールです。おまとめローンによって既に利用している貸金業者の借入金利よりも、まとめた後の金利の方が低くなる場合は総量規制の適用外となります。
また「借入残高を段階的に減少させる」場合など、利用者の返済を有利にする借換えの場合も適用外となり、年収の3分の1を超えても利用できます。
ここからはおまとめローンを利用する主なメリットについてご紹介していきます。
おまとめローンを利用する大きなメリットは、より低金利な1社からの借入れによって総返済額を抑えられる点です。
おまとめローンの多くが、一般的な貸金業者のカードローンやキャッシングより金利が低く設定されています。現在契約している金融機関よりも金利が低くなれば、金利が下がった分だけ総返済額も減ります。
例えば年18%の金利で50万円ずつ4社から借入れした場合、1か月の利息は1社7,500円で4社合計は3万円です。これに対して12%の金利で200万円を借りたときの1か月の利息は2万円。1か月当たりの利息だけで1万円もの差があります。
返済期間が数年間におよぶ場合、最終的な総返済額も大きく異なってくるでしょう。
また複数の借入れを一本化すると借入金額も大きくなるため、今より低い金利で借入れできる可能性があります。なぜなら借入金額によって利息制限法による上限が異なり、金額が大きいほど金利の上限も低いためです。
利息制限法の上限金利は以下のとおりです。(※)
借入金額 | 金利の上限 |
---|---|
10万円未満 | 年20.0% |
10万円~100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
上記のような上限があるため、50万円ずつ4社から借入れている場合、それぞれの上限金利は18%ですが、一本化して合計200万円とした場合の上限金利は15%と3ポイントも下がります。
4社から合計200万円を金利18%で3年間、借入れた場合の利息は60万2,980円で総返済額は260万2,980円。一方、15%で3年間借りた場合の利息は49万5,916円で総返済額は249万5,916円です。10万7,064円もの差がつきました。
また一本化して利子が下がると総返済額だけでなく、毎月の返済額も少なくなります。4社から合計200万円を18%で3年間借りた場合の月々の返済額は7万2,305円ですが、15%の場合は6万9,331円と月々2,974円安くなります。
一本化で金利が下がると総返済額や月々の返済額が下がることも、おまとめローンのメリットです。
※参考:日本貸金業協会.「お借入れの上限金利は、年15%~20%です」
https://www.j-fsa.or.jp/association/money_lending/law/maximum_interest_rate.php (参照2023-11-11)
おまとめローンのもう一つのメリットは借入れを1社に一本化することで返済日が分かりやすくなって、返済計画が立てやすくなることです。
複数の借入れがある場合、「A社は10日、B社は20日、C社は27日」などと返済日がバラバラになるため、うっかり入金を忘れてしまうことがあるかもしれません。支払いが遅れてしまうと、通常の利息とは別に遅延損害金が発生してしまうリスクもあるため注意が必要です。
またそれぞれのローンで金利や借入期間が異なる場合、毎月の支払額も変わるため管理が大変です。
おまとめローンでは新たなローンを組むことになるため、借入期間や月々の返済額を設定し直せます。いつ、いくら返済すればよいか把握しやすくなり、完済日も明確になるため、返済計画も立てやすくなるでしょう。
おまとめローンは返済専用ローンです。そのため原則として追加融資は受けられません。利用後に新たな借入れができなくなることをデメリットと感じる方もいるかもしれません。
ただし今以上に借入れを増やすことなく、確実に完済に向けた歩みを進められると考えることもできます。
ローンをまとめる際、一本化に利用した金融会社以外のローンはデータ上では完済したことになります。そのため完済した金融会社から、再融資の案内が届くこともあるでしょう。しかし、おまとめローンの契約後に他社で借入れを申込むと会社によっては、契約違反とみなされる可能性があります。
契約違反と判断されると、期限の利益(分割払いできる権利)を失って、残った借入れの一括返済を求められたり、新たに保証人を立てるよう求められたりする場合もあるため注意が必要です。
また新たに借入れをしようとしても、審査の際に「おまとめローンを利用している」ことが信用情報機関への照会で判明した場合は、審査の通過も難しいでしょう。おまとめローンはあくまで完済を目指して、計画的に返済していくローンであることを忘れないようにしてください。
おまとめローンの利用に当たっては審査があります。審査は通常のカードローンの申込み時と同じく、申込み後に各金融機関の審査基準をもとに行われるのが一般的な流れです。
審査には本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・保険証など)と、収入証明書類(源泉徴収票・給与明細書・所得証明書・確定申告書など)が必要です。審査に通過したら新たな借入先と契約を結びます。契約を結んだ後には、新たな契約先によってそれまでの借入先への一括返済手続が行われるのが一般的です。
おまとめローンは複数の借入れを一本化するローン商品のため、通常のカードローンやキャッシングより借入額が大きくなる傾向があります。借入額が大きくなればなるほど金融機関のリスクが高まります。ローンの審査基準は各金融機関によって異なりますが、基本的には返済能力の有無と信用情報が確認されます。
返済能力の有無は属性情報等で判断されます。一般的には、属性情報とは以下のようなものです。
信用情報とはクレジットカードやローンの契約や申込み、利用状況などに関する情報のことです。信用情報はCIC(株式会社シー・アイ・シー)とJICC(株式会社日本信用情報機構)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)などの信用情報機関によって管理されています。
これらの信用情報機関に返済の遅延や債務整理などの事故情報が登録されている場合、審査には通りにくくなると考えておきましょう。
おまとめローンのサービスは、銀行や貸金業者などさまざまな金融機関で提供されています。その中で自分に合うものを選びましょう。
おまとめローンを選ぶ際に確認しておきたいのは、金利です。返済期間がそれほど変わらずに金利が下がると、総返済額や毎月の返済負担を減らせます。なるべく適用金利の低いおまとめローンを選ぶ方がお得です。
おまとめローンサービスを提供している金融機関は、大きく分けて銀行と消費者金融の2つです。銀行のおまとめローンは比較的低金利なのが特徴ですが、その分審査は厳しい傾向にあります。
一方、消費者金融系のおまとめローンは、複数の金融機関からの借入れがある場合や、多額の借入金を抱えている場合の返済をサポートする目的で設けられている場合が多いため、審査は銀行に比べて厳しくありません。複数社のおまとめローンでも前向きに審査してもらえるケースもあります。
おまとめローンを利用するときは、現在のローンとおまとめローンの金利を比較して、今より金利が低いものを選んでください。もし金利が高い場合には、おまとめローンの利用によって利息負担が増えてしまう可能性もあります。
また、おまとめローンで一本化した後も、押さえておくべき点や注意すべき点があります。
おまとめローンの目的は、ローンの完済です。無駄な利息を支払わずなるべく早く完済するために、余裕ができたときは繰上返済をしましょう。まとまった金額を繰上返済すると、返済期間を短縮できて支払利息も減らすことができます。
また少しでも毎月の返済額を増やすのも、効率的な返済のために有効です。家計を見直して、毎月の返済額を増やすと、完済までの時間短縮に役立ちます。
おまとめローンの返済期間は、長くて10~15年に設定できます。ただし月々の返済額を抑えて長い期間に設定する場合には注意が必要です。返済期間が長くなってしまうと、金利が低かったとしても総返済額が増えてしまうケースがあるためです。
例えば80万円を18%の金利で5年間借りた場合の総返済額は121万8,840円ですが、金利が3ポイント低い15%でも10年間借りると支払総額は154万8,720円となり、30万円以上支払う利息が増えてしまいます。
返済期間はできるだけ短い方が支払う利息は少なくなります。前述したように繰上返済などをうまく利用して、なるべく早く元金を減らしましょう。
月々の返済額と返済期間のバランスを確認したいなら、返済のシミュレーションをしてみるのがおすすめです。返済のシミュレーションができるWebサイトはさまざまあるため、インターネットで検索してみましょう。
おまとめローンは、複数の借入金を抱えている人の返済をサポートするための返済専用ローンです。借入れを一本化して整理し、計画的な返済を続けながら完済を目指しましょう。
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